特例有限会社のバックアップの現在との差分(No.1)

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特例有限会社へ行く。
- 1 (2008-12-15 (月) 20:39:49)
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以下では、旧有限会社が、株式会社化を選択しなかった場合に生ずる実務上の法律問題をとりあげる。

考え方の基本
(1)有限会社法は、廃止される。(整備§1③)(∴→旧有限会社を規律していた規定がなくなる)
(2)しかし、旧有限会社は、株式会社として存続する。(整備§2-1)(∴→会社法の適用がある。)
(3)但し、整備法に定める会社法の特則の適用を受ける。

以上より、
(1)まず、問題となる事象について、整備法に特則があるか否かを検討する。
(2)①特則があれば、整備法の規定にしたがう。
(3)②特則がなければ、会社法の規定にしたがう。
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**第１ 定款 [#m147fd98]
&aname(teikan);
***Ⅰ 従来の定款規定はどのように取り扱われるか [#n7cb07a9]
旧有限会社時代に作成してあった定款規定は、新法施行後には以下のようになる。
||CENTER:旧有限会社|CENTER:特例有限会社|CENTER:登記の強制|CENTER:懈怠の効果|h
|１|定款、社員、持分、出資一口(有§6)|定款、株主、株式、一株とみなす(整備§2-2)|CENTER:なし||
|２|目的(有§6-1①)|目的とみなす(整備§5-1)|CENTER:なし||
|３|商号(有§6-1②)|商号とみなす(整備§5-1)|CENTER:なし||
|４|本店所在地(有§6-1⑦)|本店所在地とみなす(整備§5-1)|CENTER:なし||
|５|資本の総額&br;出資一口の金額&br;社員の氏名･住所&br;社員の出資口数&br;(有§6-1③～⑥)|記載がないものとみなす(整備§5-1)&br;&br;※&br;発行可能株式の総数&br;=発行済株式数&br;=資本の総額÷出資一口の金額&br;となる(整備§2-3)|CENTER:なし||
|６|公告方法&br;①資本減少&br;②法定準備金の減少&br;③合併&br;④会社分割&br;⑤組織変更&br;(有§88-3①②)|①～⑤の公告方法とみなす&br;(整備§5-2)|CENTER:なし||
||電子公告ができないときの&br;定め(有§88-3③)|同様の定めとみなす(整備§5-3)|CENTER:なし||
||２つ以上の公告方法の定め&br;(有§88-3①)|効力を失う(整備§5-4)|CENTER:なし|公告方法は官報となる&br;(会§939-4)|
|７|取締役の累積投票の定めがないとき(有§25の2)|累積投票請求ができない定めとみなす(経過措置令§5)|CENTER:なし||
|８|持分譲渡の定め&br;(有§19-2)|①譲渡による取得には、&br;株主総会の承認を要する旨&br;②株主が取得する場合は、&br;承認したものとみなす&br;(整備§9-1)|CENTER:なし||
||||||
|９|①議決権(有§39-1但)&br;②利益の配当(有§44)&br;③残余財産分配(有§73)&br;に関する特別の定め|①～③の定めがある&br;種類株式とみなす&br;(整備§10)|種類株式の登記&br;(新法施行後６月内)&br;(整備§42-8,9,10、&br;会§911-3⑦、⑨)|～100万円の過料&br;(整備§42⑪)|
|10|持分消却の定め&br;(有§24-1①、旧商§213-1)|株式取得請求権、&br;株式取得条項の定め&br;(会§107-2②)とみなす&br;(経過措置令§1)|株式取得事項の登記&br;(新法施行後６月内)&br;(経過措置令§1、&br;整備§42-8,9,10)|～100万円の過料&br;(整備§42⑪)|
|11|確認会社(解散事由の定め)|そのまま移行する|なし|設立から５年後に解散&br;&br;∴&br;会社の存続方法は、&br;①増資又は&br;②定款変更･登記抹消が必要。&br;②の手続→&br;取締役の過半数が決議して定款を変更し、&br;解散事由の登記を抹消する&br;(整備§448)|

以上より、従来どおりの会社体制を維持しようとする限り、ほとんどの会社は、特に積極的に定款を変更する必要が生じない。
以上より、従来の会社体制を維持しようとする限り、ほとんどの会社は、特に積極的に定款を変更する必要が生じない。
但し、これには以下の例外がある。
第１に、従来の定款に、種類株式に相当する規定がある場合。(上記&color(crimson){９};)
第２に、従来の定款に、株式消却の定めに相当する規定がある場合。(上記&color(crimson){10};)
第３に、確認会社である場合。(上記&color(crimson){11};)

この場合に限り、登記申請が必要となる。
&color(crimson){参考－Ｑ012～17};

***Ⅱ 定款の開示請求に対する会社の対応方法 [#c2aa5e74]

旧有限会社の定款は、株式会社の定款とみなされる。(整備§5-1前段)
ところで、
株主、会社債権者は、定款の閲覧、謄抄本の交付を請求でき、会社はこれに応じなければならない。(会§31-2)
そして、この場合に、定款に現実に記載のない事項であっても、法の規定により定款の定めがあるものとみなされる事項も示さなければならない。(整備§6)
そこで、これに対処するには、以下の方法が考えられる。

||CENTER:方法|CENTER:特徴|h
|その１|みなし規定事項を記載した書面を作成しておき、&br;従来の定款と共に示す。|従来の定款規定とみなし規定の&br;違いが残ったままとなる。|
|その２|従来の定款をみなし規定に合うように変更したうえで、&br;変更した定款書面を示す。|実質的な定款変更ではないため、&br;取締役の職務執行として行えば足りる。&br;(総会の特別決議は不要)|

&color(crimson){参考－Ｑ016};

**第２ 株主 [#tc82dd71]

***Ⅰ 株主 [#u11e78eb]
-&color(crimson){Ｑ};018：人数制限(50人を超えることができるか。できる場合に特別な手続が必要か)
-&color(crimson){Ｑ};019：会社に対する権利
-&color(crimson){Ｑ};020：義務
-&color(crimson){Ｑ};021：少数株主権

***Ⅱ 株主名簿 [#yd0256aa]
-&color(crimson){Ｑ};022：株主名簿(社員名簿にかえて株主名簿を新たに作成しなければならないか)

-&color(Blue){※記載例};(株主名簿)

-&color(crimson){Ｑ};023：機能(株主名簿はどのような働きをするものか)

-&color(Blue){※記載例};(株主名簿記載事項証明書)

-&color(crimson){Ｑ};024：閲覧・謄写(誰が、どのような場合にできるか。)

**第３ 株式 [#i53b6dd1]
***Ⅰ 旧持分の取り扱い [#u66a17b8]
-&color(crimson){Ｑ};025：株式制度と持分制度の違い
-&color(crimson){Ｑ};026：｢持分証書｣の取り扱い

***Ⅱ 株券 [#e9dbbc98]
-&color(crimson){Ｑ};029：発行の要否、発行手続、記載事項、発行時期

-&color(Blue){※記載例};(株券)

***Ⅲ 株式の譲渡 [#r548eb58]
--&color(crimson){Ｑ};030：株式(持分)の譲渡方法
--&color(crimson){Ｑ};031：株主からの譲渡請求

-&color(Blue){※記載例};(譲渡承認請求書)(単純承認の場合)
-&color(Blue){※記載例};(譲渡承認通知書)
-&color(Blue){※記載例};(譲渡の相手方通知書)(相手方指定請求の場合)
-&color(Blue){※記載例};(株式売渡請求書)(会社が買い取る場合)

--&color(crimson){Ｑ};032：取得者からの譲渡承認請求
--&color(crimson){Ｑ};033：株式を譲渡した場合の名義書換手続

-&color(Blue){※記載例};(株券廃止会社の名義書換請求書)

-自己株式の取得
--&color(crimson){Ｑ};034：自己株式を取得できるか。

***Ⅳ株式の消却 [#td3af26b]
-&color(crimson){Ｑ};035：株式を消却できるか。消却するにはどのような方法があるか。

***Ⅴ 株式の管理 [#d81d7247]
-&color(crimson){Ｑ};036：株式を共有できるか
-&color(crimson){Ｑ};037：株式の相続
-&color(crimson){Ｑ};038：破産･民事再生
-&color(crimson){Ｑ};039：担保(質権･譲渡担保)の設定

**第４ 機関 [#rd042622]
***Ⅰ 機関設計 [#od91fdc9]
-&color(crimson){Ｑ};040：必要機関

***Ⅱ 総会 [#z8edfe10]

(総論)
-&color(crimson){Ｑ};041：社員総会との違い
-&color(crimson){Ｑ};042：株主総会の種類
-&color(crimson){Ｑ};043：権限(決議事項)

(招集)
-&color(crimson){Ｑ};044：招集方法
-&color(crimson){Ｑ};045：招集通知の記載事項

-&color(Blue){※記載例};(株主総会招集通知)

-&color(crimson){Ｑ};046：少数株主による招集請求

(決議)
-&color(crimson){Ｑ};047：成立要件
-&color(crimson){Ｑ};048：議決権(行使方法の制約、代理人行使･不統一行使)

-&color(Blue){※記載例};(委任状)

-&color(crimson){Ｑ};049：議決権(書面行使･行使の電子化･会議自体の省略)

-&color(Blue){※記載例};(議決権行使書面)(議決権行使の電子化を採用する場合)

(議事録)
-&color(crimson){Ｑ};050：作成方法(記載事項、署名･記名押印、媒体)

(決議の瑕疵)
-&color(crimson){Ｑ};051：取消の訴え
-&color(crimson){Ｑ};052：不存在の訴え、無効確認の訴え
-&color(crimson){Ｑ};053：訴えの留意点

***Ⅲ 取締役 [#ica53f71]

(総論)
-&color(crimson){Ｑ};054：移行時の取締役の地位
-&color(crimson){Ｑ};055：人数
-&color(crimson){Ｑ};056：任期

(選任･解任)
-&color(crimson){Ｑ};057：資格制限
-&color(crimson){Ｑ};058：株主との関係
-&color(crimson){Ｑ};059：選任決議要件

-&color(Blue){※記載例};(就任承諾書)(事前承諾の場合)
-&color(Blue){※記載例};(就任承諾書)(事後承諾の場合)

-&color(crimson){Ｑ};060：解任の方法 

-&color(Blue){※記載例};(株主総会招集請求書)

(業務)
-&color(crimson){Ｑ};061：権限と義務
-&color(crimson){Ｑ};062：責任(種類)
-&color(crimson){Ｑ};063：責任(追及手段)

(複数取締役が存する場合の問題)
-&color(crimson){Ｑ};064：取締役会を設置できるか
-&color(crimson){Ｑ};065：業務執行方法
-&color(crimson){Ｑ};066：代表取締役(選任の要否)
-&color(crimson){Ｑ};067：代表取締役(共同代取の地位)

***Ⅳ 任意設置機関 [#tda6a7f2]

(監査役)
-&color(crimson){Ｑ};068： 選任の要否
-&color(crimson){Ｑ};069： 任期
-&color(crimson){Ｑ};070： 資格要件
-&color(crimson){Ｑ};071： 選任と解任

-&color(Blue){※記載例};(就任承諾書)(事後承諾の場合)

-&color(crimson){Ｑ};072： 権限と義務
-&color(crimson){Ｑ};073： 責任

(その他)
-&color(crimson){Ｑ};074： 会計監査人･会計参与(設置の要否)
-&color(crimson){Ｑ};075： 検査役(職務権限、設置が強制される場合)

**第５ 資金調達 [#y7dc44ab]

-&color(crimson){Ｑ};076： 新株発行と借入金・社債との比較

***Ⅰ 新株発行 [#v48e2676]

-&color(crimson){Ｑ};027： 株式の種類
-&color(crimson){Ｑ};082： 譲渡制限株式の発行制限の有無
-&color(crimson){Ｑ};028： 発行可能な株式の総数･発行済株式総数(どのようにして計算するのか)

-&color(crimson){Ｑ};077： 株主割当
-&color(crimson){Ｑ};078： 第三者割当
-&color(crimson){Ｑ};079： 有利発行
-&color(crimson){Ｑ};084： 現物出資(手続)
-&color(crimson){Ｑ};085： 現物出資(財産の評価)
-&color(crimson){Ｑ};081： 現物出資(金銭債権の株式振替)
-&color(crimson){Ｑ};083： 株式発行に対する異議

***Ⅱ 新株予約権 [#ha453422]
-&color(crimson){Ｑ};080： 新株予約権とは。発行できるか。

***Ⅲ 社債の発行 [#ae50ea01]
-&color(crimson){Ｑ};086： 発行できるか
-&color(crimson){Ｑ};087： 発行時の留意事項

**第６ 計算 [#od17a972]
-&color(crimson){Ｑ};088： 会計帳簿(閲覧請求の要件)
-&color(crimson){Ｑ};089： 計算書類(旧有限会社との違い)

||CENTER:新法||CENTER:旧法|CENTER:備考|
|１計算書類|①貸借対照表|←|①貸借対照表||
|~|②損益計算書|←|②損益計算書||
|~|③株主資本等変動計算書|←|③利益処分(損失処理)案||
|~|④個別注記表|←||新設|
|２計算関係書類|⑤事業報告書|←|④営業報告書||
|~|⑥附属明細書|←|⑤附属明細書||

-&color(Blue){※記載例};(株主資本等変動計算書)
-&color(Blue){※記載例};(個別注記法)

-&color(crimson){Ｑ};090： 計算書類(会社法施行前に作成したものは、作成し直す必要があるか)
-&color(crimson){Ｑ};091： 計算書類(公告の要否、備置義務の有無)
-&color(crimson){Ｑ};092： 利益配当(いつでもできるのか)
-&color(crimson){Ｑ};093： 資本金･準備金(減少手続)
-&color(crimson){Ｑ};094： 資本金･準備金(増加手続)

**第７ 解散･清算･債務整理[#dd39b0b2]

***Ⅰ 総論 [#u2df2800]
-&color(crimson){Ｑ};095：解散事由(判決による解散) 
-&color(crimson){Ｑ};096：自主的な会社の解散、会社継続(施行前に解散し、施行後に継続決議があった場合の根拠法)
-&color(crimson){Ｑ};010：会社法施行前に解散事由が発生したが、手続を進めるにあたって、同法施行後は旧法が適用されないのか

***Ⅱ 清算業務 [#hdf17fce]
-&color(crimson){Ｑ};097：清算手続の概要、監査役を船員できるか
-&color(crimson){Ｑ};098：清算人(船員･解任･職務権限･責任)

***Ⅲ 債務整理 [#wce0d042]
-&color(crimson){Ｑ};099：債務整理･会社再建手段
-&color(crimson){Ｑ};100：再建型法定整理
-&color(crimson){Ｑ};101：清算型債務整理

||CENTER:事業継続&br;(再建型)|CENTER:事業廃止&br;(清算型)|
|私的整理|債権者と和解||
|法的整理|民事再生・会社更正|破産&br;(特別清算は排除)&br;(整備§35)|

**第８ 組織再編 [#p5da05ff]
-&color(crimson){Ｑ};102：株式移転・株式交換できるか
-&color(crimson){Ｑ};103：持分会社への組織変更の手続

**第９ 登記･税務･労務･許認可 [#qb936ac6]

***Ⅰ登記 [#l7ad2224]
-&color(crimson){Ｑ};126：登記事項
-&color(crimson){Ｑ};127：登記事項(株式会社との違い)
-&color(crimson){Ｑ};128：登記申請の要否(不要なものは何か)
-&color(crimson){Ｑ};129：登記申請の要否(必要なものは何か)
-&color(crimson){Ｑ};130：公告方法の登記(これはどのようにしてなされるのか)
-&color(crimson){Ｑ};131：役員(取締役･代取･監査役についての登記事項が変更されるか)
-&color(crimson){Ｑ};132：役員(取締役･代取･監査役についての登記事項が変更されるか)
-&color(crimson){Ｑ};133：支店所在地の登記
-&color(crimson){Ｑ};134：確認有限会社の登記

***Ⅱ税務 [#pcd78b6e]
-&color(crimson){Ｑ};136： 特別な手続きをとる必要があるか

***Ⅲ労務 [#s52cfefb]
-&color(crimson){Ｑ};137：労働法の適用
-&color(crimson){Ｑ};138：労働保険・社会保険の取扱

***Ⅳ許認可 [#mf6da747]
-&color(crimson){Ｑ};142：許認可の有効性
-&color(crimson){Ｑ};143：新規申請
-※業種別許認可の例
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特例有限会社のバックアップの現在との差分(No.1)
