経済学/余剰分析(ミクロ編) のバックアップ(No.4) - 執務ノート

はじめに †

以下は、八田達夫『ミクロ経済学Ⅰ』『ミクロ経済学Ⅱ』(東洋経済新報社)の概要。
本書の特徴は、以下のとおり。
･加減乗除の数式を用いず、需要･供給分析の応用により経済学の基本的な考え方を述べていること。
･日本の現実の経済政策問題を分析していること。
･経済学的な政策判断の基本的な考え方の背後にある暗黙の前提を解説していること。

本書の書評については、以下を参照。
・みごろ、よみごろ、しらべごろ、・モジックス Zopeジャンキー日記

Ⅰ－市場の失敗と政府の失敗への対策－ †

序章市場と政府の役割分担 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
1.市場の有効性 2.再分配 3.｢市場の失敗｣の是正 4.｢政府の失敗｣の是正 5.厚生経済学の基本定理 6.効率化政策 7.効率化原則 8.経済学の役割 9.効率化政策の例 10.まとめ 11.本書のプラン		･構造改革、･転換政策(石炭→石油)	裁定の説明

１章市場 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
1.		･物価統制令･地代･家賃統制令･借地借家法･最低賃金制	混み合い現象と限界生産力逓減との関係

２章供給 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
1.		･計画経済と市場経済の生産効率比較	参入規制の非効率性の証明

３章余剰と参入規制 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
1.	-税と補助金- -規制-	･美容師の国家試験･司法試験制度による参入規制･医薬品販売の参入規制･農業の参入規制	補償需要曲線と消費者余剰との関係 (無差別曲線を用いない証明)

４章市場介入 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
1.		･物品税･厚生年金保険料の負担者･増産補助金･物価統制令･販売規制(豊作貧乏対策)	規制がもたらす２次的死重損失

５章弾力性･限界収入 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
1.	-A:弾力性- -B:限界収入- -AとBの幾何学-	･国民年金保険料･課税ルール	限界収入と弾力性の関係

６章規模の経済:独占 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
1.		･独占対策･国有化･価格規制･料金規制･企業分割･一括補助金･二部料金制･時差料金制･プライスキャップ制･ヤードスッティク制･電力の自由化･ネットワーク産業の自由化･民営化･道路特別会計

７章外部経済と不経済 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
1.	-外部不経済- -外部経済-	･炭素税･違法建築対策･商品規格	民間企業による外部経済と排除費用･結合生産物との関係

章 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
８減産補助金と環境権		･物品税･連担建築物設計制度･日照規制	コースの定理 (減産補助金と物品税の効果の類似性を用いて)

章 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
９情報の非対称性	-逆選択- 1.逆選択(買手の情報不足) 2. 〃 (売手の情報不足) -モラルハザード- 3.モラルハザード 4.社会保険 5.まとめ	･薬品検査機関･火災保険･食品検査･欠陥住宅･中古車･大学の認可･女性差別･保育所補助･借家･住宅補助･家賃補助･バウチャー･借地借家法･貸与奨学金･健康保険･生命保険･社会保険･医療保険･国民年金･厚生年金･介護保険･失業保険･生活保護･知的財産権の保護	保育所補助の根拠

章 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
10 公共財		･有料道路･道路無料公開の原則･費用便益分析(本州四国連絡橋) ･研究助成･情報提供･知的財産権の保護･特許･道路特定財源･ガソリン税･高速道路料金･日本道路公団･道路公団民営化･高速道路付随施設の民営化	公共財と規模の経済との関係

章 †

目次		対象とする経済政策	分析の特徴
11 権利の売買	-生産数量規制- -購入数量規制-	･数量カルテル･生産量規制･温室効果ガスの排出権取引･キャップ&トレード･メダリオン･博多の屋台村･テレビ局のライセンス制･酒の配給･配給切符の取引	規制によって得た権利の売買と減産補助金との関係

Ⅱ－効率化と格差是正－ †

章	目次	対象とする経済政策	分析の特徴
12 フローとストック		･バブル景気･伊丹空港の騒音
13 労働		･賃金所得税･最低賃金制	労働供給の弾力性の測定値が低い理由
14 生産要素の総量市場と帰属所得		･地代所得税･固定資産税･幕末の不平等条約･関税･地租改正･専業主婦優遇税制	要素市場における余剰分析の論拠総量市場と取引市場
15 供給者の自家消費		･売上税･	所得と便益、機械費用･帰属所得、シャドウプライスの関係
16 混雑		･	ピグーパラドックスとフランク･ナイトの反論
17 長期均衡		･	自由参入の効率性、短期利潤の図示、マーシャルの調整過程、モーリングの定理
18 生産と消費の基礎理論		･	独占の非効率性 (限界効用･限界生産力均衡の法則を用いて)
19 厚生経済学の基本定理		･	独占の非効率性 (生産可能性曲線を用いて)
20 社会的厚生		･	効率化原則採用の条件
21 効率化政策への批判	価格の上限規制･	･	ヒックスの楽観主義
22 格差是正政策	･生活保護･	･	税の労働ディスインセンティブ
終効率化政策と格差是正政策の両立	･雇用契約法制の規制緩和･タクシー台数の上限撤廃･最低賃金制の引き下げ･起業の自由化･高所得者の直接税引上げ (生活扶助の｢負所得税化｣) ･消費税シフトと高齢化	･	格差を是正する効率化