1 囲繞地通行権 ┌─────────┐ † 
│ ┌─────┐ │
§210 ⇒ 原則 │囲│ 袋 地 │ │
│繞├─────┤ │
§213 ⇒ 土地の分割･一部譲渡により袋地が生じた場合 │地│ 残余地 │ │
袋地の所有者は │ │ A⇒B │ │
もとの一筆であった土地(残余地)しか通行できない ┴─┴─────┴─┴
その代わり賞金を払わなくてもよい｡ 公 道 ───────────
§213は当事者に変動がない場合を念頭に置いたもの。
Ｑでは当事者に特定承継が生じた場合(本件では残余地たる囲繞地に承継が生じた) にも
なお従前の関係を維持してよいのか。
(1)理論的根拠（§213の法的性質論）
対人的権利か土地そのものに付着する権利か（Ｈ2,11,20）
(2)実質的根拠（関係当事者の利益衡量）
�‖淬禄衢�者の利益の保護
袋地所有者は残余地の譲渡に関与できない。
しかるに、
残余地が譲渡され当事者が変更すると§213の通行権が消滅する
としたら、袋地所有者の不利益はなはなだしい。
�∋塚消楼奮阿梁淬禄衢�者の利益の保護
もし§213の通行権が消滅するとしたら、
以後は§210の規定により従来通行できなかった土地に通行権が生じることもありうる。
ｂｕｔ
それでは、通行権の負担を受けることはないと期待していた
残余地以外の袋地所有者の利益が害される。
�０幣紊茲蝓�213の通行権が消滅するとすべきではない。
2 添付 †
242条（不動産の附合）
趣旨；社会・経済上の損失防止
要件；１ 附合する物は動産であること
２ 動産と不動産の分離復旧が社会通念上不可能
効果；不動産の所有権者が附合した物の所有権を取得
(1) 附合の判断基準 [211]
(2) 242但書の適用範囲 [212]
(3) 他人の土地に播種された種子､植栽された苗の所有権の帰属 [213]
(4) 建物賃借人が増改築を加えた場合の増改築部分の所有権の帰属 [214]
(5) 建物の建築工事請負人が､建築途上において未だ独立の不動産に至らない建前を
築造したままの状態で放置していたのに､第三者がこれに材料を供して工事を施し､
独立の不動産である建物に仕上げた場合の所有権帰属 [215]
Q 請負目的物の所有権は、引渡前は誰に帰属するか。
→注文者
(理)
当事者意思から、注文者に帰属するとするのが自然であるし、
保存登記を所有者名義で行う慣行もある。
これに対して
請負人が材料を供給したときに請負人に帰属するとする見解がある。
趣旨は、請負人に代金債権の担保を確保させる点にある。
しかし、
請負人には土地の利用権限がないから、所有権を取得したところで意味はない。
代金の担保としても、同時履行の抗弁権・留置権を主張できる。
Q 請負の目的物たる工作物の所有権の帰属
Ａが建築を注文→Ｂが材料を供し築造 BUT 工事中止→Ｃが残材料を供して完成
(注文者帰属説ならば問題はない）
Ｑ請負人原始取得説に立つ場合 Ｂ・Ｃいずれが建物の所有権を取得するか
→Ｃが供した材料の価格に、工作によって生じた価値を加えたものが
Ｂの供した材料の価額よりも高い場合は、Ｃが所有権を取得する(§246-2)
(理)
不動産は、材料となった動産の価額をを合わせた価値よりも価値が高い。
そのような価値は請負人による工作によって著しく高まる。
従って、
加工の規定をもって所有権の帰属を定める。
＊付合によるなら、
主たる動産か否かによって結論が変わる。
しかも
§244によって共有になる場合がある。
![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
