+  目次

1本質(制度趣旨) Edit

人は自由に自己の事務を管理できるのが原則である。
他人の事務の管理を無断で管理した場合、場合によっては不法行為となる。
しかし、
社会生活の円満を図るためには、相互扶助の観念も重要である。
そこで、
他人のための管理行為を一定の場合適法とし、管理継続義務を負わせることにした

2成立要件 Edit

3効果 Edit

Q 代理権が発生するか  思P238、249
  事務管理者か本人の名で法律行為をした場合にその効果が直接本人に帰属するか [546]

q1 事務管理制度の機能をどのように把握すべきか(本質論)
q2 事務管理によって本人・相手方間の対外関係も生ずるとすべきか(法的構成論)
q3 肯定説・否定説いずれの結論が妥当か(利益衡量論)

意思によらないで当然に代理関係が発生が発生するとの結論を認めることはできない。
従って
事務管理者の行為は無権代理行為に過ぎない。
そこで、
表見代理か、無権代理行為の追認の制度を用いて処理することになる。

Q 702条の「有益費」の範囲 [547]
→事務処理にあたって当然予期される損害を含む
(理)
法は、事務管理者に損害賠償請求権は認めていない。(§650-3の不準用)
しかし
これを認めなければ、事務管理者にとって酷な結論が生じる場合も考え得る。
そこで、
上記の限りで、費用に含ませて償還請求できるとしてよい

Q 事務管理者の報酬請求権
→認めることはできない。
(理)
明文がないし、
これを法的義務とするならば、
個人生活への過度の干渉となるおそれがあるからである。
但し、
管理者の職業ないし営業について職務の提供は、「費用」として請求できる。

4準事務管理(要件論) [545] Edit

Q 準事務管理の肯否

土地の無断使用者が利得を保有することは不当であると価値判断した場合には
事務管理の規定を準用して、全ての利得を返還させるべきであるとする説がある。
しかし
事務管理制度の核心は相互扶助の精神に求めるべきであるから、
この点に欠ける場合に事務管理の法理は準用すべきでない。
また
個人の才覚にかかる部分については返還を認めないのが公平である。
従って、
不当利得又は不法行為の規定によって処理するのが妥当である。



トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2010-03-03 (水) 03:52:30 (5166d)