![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
（訴え提起から第１回口頭弁論までの手続を整理すること） 類型 †
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| 類型 | 特質 |
| 給付訴訟 | 被告に対する一定の給付請求権の存在を主張し、 その履行を求める訴え |
| 確認訴訟 | 特定の権利関係の存在または不存在を主張する訴え |
| 形成訴訟 | 一定の法律要件に基づく法律状態の変動を主張して、 その変動を宣言を求める訴え |
| 意義 | 形成訴訟の形をとるが、実質上は非訟事件である訴訟 (理) 実体法規に形成要件の定めがなく 裁判所が合目的的裁量により形成しなければならないから |
| 特質 | 処分権主義の排除（§186の不適用） |
| 弁論主義の排除（§140の不適用) | |
| 具体例 | 父を定める訴え 共有物分割の訴え 賃料増額請求訴訟（借家§7） 境界確定の訴え(争いあり) |
界確定の訴え
→隣接地相互の境界が争われる場合に
判決による境界線の確定を求める訴え
Ｑ 形式的形成訴訟か、確認訴訟か。
→形式的形成訴訟
(理)
�‥效呂龍�界には租税・行政区画の基準となるなど、公共的性質がある。
このような性質の訴えでは、判決をもって境界を合理的に形成する必要がある。
そのため、処分権主義（246)を認めることはできない。
��当事者が所有権の確認まで求める場合は、別訴を併合するか、反訴を認めれば足りる。
→本案の審理を続行して本案判決をするための要件
紛争解決につながらない判決を裁判所に要求するのは訴訟経済上妥当でない。
そこで、判決による紛争解決に適しない訴えを事前に排除する必要がある。
(1) 調査の開始
(2) 資料の収集
Ｑ 訴訟要件と本案審理の順序
訴訟要件具備の判断と本案審理とは、並行してなされる。
ただし、判断としては、訴訟要件が本案審理に先行すべきである。
→本案判決はできない(原則)
Q 本案判決との関係(本案棄却の結論が先に出た場合には請求棄却判決をなし得るか)
→なしうる。
(理)
被告自身の利益保護や無益な訴訟の排除を目的とする訴訟要件(訴えの利益や仲裁契約)は、 被告の応訴の煩を避けるための要件の判断を待つよりも、 終局的判断たる棄却判決をなす方が被告の保護になる。
Ｑ 欠缺時の処理
→原告が申立てた特定の請求について、
本案判決をすることの必要性および実効性を判断するための要件
→本案判決がなされるべき必要性、本案判決による紛争処理の実効性等の要素から個別具体的に判断すべきである。
訴えの利益が否定される場合として、法律上の争訟性を欠く場合がある。
ただし、単なる事実の存否の争いについてであっても、証書真否確認の訴えについては例外的に訴えの利益が認め
られる。
紛争解決の実を挙げることができるからである
さらに、二重訴訟の禁止・再訴禁止、当事者間の特約に触れる場合や、
既に確定判決を得ている場合、
訴え以外の特別の救済手段がある場合も法律上の争訟を欠く。
訴権の濫用と評価される場合も同様である。
現在の給付の訴え→訴えの利益がある (理)訴求可能な給付請求権を主張するものであるから
将来の給付を求める訴え→口頭弁論終結時までに履行期が到来しない請求権を主張する訴え
要件(§135)
�‐�来給付を求める基礎となる資格ある場合で、
�△△蕕�じめ給付判決を得ておく必要がある場合に限る。
(理)訴えの対象が判決の基準時までに履行すべき状態にないから
Q 将来給付を求める基礎となる資格の例としては、
→期限未到来・停止条件未成就の請求権の債権者であること等
Q また、給付判決を得ておく必要がある場合とは、
→義務の存在・履行の条件などに争いがある場合、定期行為・扶養料等に関する債権などで
履行遅滞による損害が極めて重大な結果をもたらす場合
| １ | 請求権発生の基礎をなす事実関係の継続が予測できること、 |
| ２ | 請求権の成否・内容につき 債務者に有利な影響を生ずる将来の事情の変動が あらかじめ予測しうること |
| ３ | ２につき 請求異議訴訟によってのみ強制執行を阻止しうる負担を 債務者に課しても格別不当でないこと |
Ｑ 将来も継続するであろう不法行為の損害賠償請求権につき訴えの利益は認められるか。
まず、請求権として成立しなければ、将来給付を求める資格はない。
すなわち、損害の額が明確に確定できなければ、訴えの利益は認めえない。
具体的には、
不法占拠者に対する明渡義務履行までの損害賠償金は、右条件を満たすから訴えの利益はある。
Q 公害による損害賠償請求権についてはどうか。
公害による損害はその成否・範囲とも不明確である。
しかし、
同一態様による侵害の継続が明確で、賠償請求権発生の事実関係を現在確定しうるなら認めてよい
(理) このような場合は不法占拠者による場合と同様に考えられる。
Ｑ 確認の訴えの利益はいかにして判断すべきか
→認められる場合は限定される
(理)
確認行為という性質上、確認の訴えの対象は無限に拡大しうる。 したがって、限界付けが必要となる。 また、確認の訴えには強制的実現を伴わない以上判決を得ておく実益は低い。
| 訴えの利益 | (理) | ||
| 過去の法律関係 | 原則 | × | 現在の紛争を解決できない |
| 株主総会決議の不存在 遺言の有効性 | ○ | 過去の法律関係であっても ここから派生する現在の紛争を抜本的に処理できる | |
| 消極的確認の訴 | × | 所有権の所在について確定しない ↓ 紛争の終局的解決について実効性が低い | |
| (他人間の法律関係の確認の利益) 転借人による所有者の所有権確認 | ○ | ||
| (事実の確認の利益) 証書の真否確認の訴え | ○ | ||
→法律で規定されている場合に限り認められる。
これは、法律が既に形成の訴えが認められる場合を選び出している。
→訴訟物につき、自ら当事者として訴訟を追行し、本案判決を求めうる資格
Ｑ 法人の内部紛争(代表役員地位確認等を求める訴えでは誰に当事者適格を認めるべきか)
団体の内部紛争における正当な当事者は誰か（百選 P21 Ｓ58論講１）
(法人単独で当事者適格を認めてよいか）
この問題は、法人が受けた判決効が第三者（構成員）に拡張されるかにかかる
そこで
Q そもそも判決効拡張の原理は何か
�＾預鹸愀言癲閉免宗�
�⊆蠡格歉秬癲平憩押�
Q ではこの場合構成員にも判決効が拡張されるか
�＼癶�肯定
�∪癶�否定
したがって�∪發亘／傭影箸療�事者適格を否定する
→法人を被告とすべき
(理)
自称代表役員が利害関係を最も有するからその者に当事者適格を認めうる しかし、 対立は代表役員相互間に止まらない 何よりも、 法人に判決効が及ばない構成をとると、何人も法人に対して訴えを提起でき、 紛争の終局的解決ができないという不都合がある。 これに対して 法人は、利害関係人の利害を調整・集約する立場にある。 よって、 当事者適格を認めるべきである。 自称代表役人は共同訴訟人とすれば足りる。
法律上訴訟追行権を付与されている場合
例 債権者代位訴訟、株主代表訴訟
不在者の財産管理・相続財産管理人・遺言執行者の訴訟上の地位（百選 �癸横亜�
当事者適格は認められる。
Q では実体法上の権利帰属者には当事者適格があるか
（この者に当事者適格を認めることによって紛争解決に役立つか）
Q この者は判決効を受けるか
Q 二重起訴となるか
債権者代位訴訟における債務者の訴訟上の地位
(Q 債務者はいかにして固有の利益を守ることができるか)
Ｑ 当事者適格を有するか
Ｑ 債権者の受けた判決の効力は債務者にも及ぶか
Ｑ 債務者はどのような参加が認められるか
(1)補助参加
(2)共同訴訟的補助参加
(3)独立当事者参加
Q 債務者には当事者適格がないのではないか
Q 二重起訴の禁止（§241）に触れ許されないのではないか
(4)別訴の提起
(5)共同訴訟参加
その意思で、 本来は訴訟物に関して法的利益をもたない第三者に訴訟追行権を授与して、 当事者として訴訟を追行させること
例：選定当事者（30)、手形の取立委任裏書をうけた被裏書人
Ｑ 許容基準(いかなる基準で許容できるか)
→正当な業務上の必要・正当な理由がある場合に限る
(理)
安易な許容は、弁護士代理の原則、訴訟信託の禁止の趣旨に反し、 依頼者の利益の侵害、訴訟の混乱を招くおそれがある。
| 例 | (理) |
| �’篌腓涼簡歙嫻い覆病荵絢圓�自己固有の利益を有する場合 | |
| ��業務執行組合人 | 訴訟物たる権利関係に包括的な管理権を持っており、 権利主体と同程度以上に権利関係につき知識がある。 ↓∴ この者には本来適格が認められるし、前記の弊害も生じない。 |
→共同の利益を有する多数者の中から
代表者を選んで訴訟追行権を授与し、 当事者全員のために当事者として訴訟を追行させる制度
(訴え提起から第１回口頭弁論までの手続を整理すること）
請求原因として記載すべき事実
裁判長の訴状審査
1 訴状の記載から訴訟要件の欠缺や請求に理由のないことが明らかな場合
2 訴状の補正ないし却下命令の時期
3 補正の効力
→原告から裁判所に対してなされる権利・法律関係の存否の主張(審判対象のこと)
(理)
�〆枷十蠅賄�事者の申し立てた事項についてのみ審判できる（264)
したがって、訴訟物が特定しなければ裁判所は審理を開始できない。
��被告としても、審判対象が特定されなければ攻撃・防御できず、場合によっては不意打ちのおそれがある。
�Ｈ酬荼�の客観的範囲、二重起訴の禁止、においても同一性を判断する必要がある。
→ 実体法上の個々の権利・法律関係の主張と解する。
(理)
訴訟要件の有無に関する判断基準は明確である必要がある。 しかも 攻撃・防御の目標とならなかった他の権利については、 別訴で争えると解した方が、当事者の手続保障が実現されやすい。
確認訴訟の訴訟物
形成訴訟の訴訟物
給付訴訟の訴訟物
(3) 不法行為に基づく損害賠償請求訴訟の訴訟物の特定基準
(4) 収去明渡請求訴訟の訴訟物
(5) 手形金請求訴訟の訴訟物
| 旧説 | 新説 | |||
| Ａ | 通常訴訟の場合 | 手形債権 | 手形債権 + 原因債権 | |
| Ｂ | 手形訴訟の場合 | 手形債権 + 原因債権(通判) | 手形債権(三ケ月) | |
Q 通常訴訟に移行し原因債権を行使しなかった場合は訴えの変更になるか
Ｑ 確定判決後、残額を請求できるか
→一部請求であることが明示してあるときのみ認められる(既判力は前訴請求額のみに生じる)
(理)
訴訟外で債権の分割行使はなしえるし、 訴訟物の範囲の確定については、処分権主義が取られている。 また 試験訴訟の途を開く必要があるから、残部請求を認める必要はある。 しかし 全部請求だと考えた被告にとって、不意打ちの危険がある。
Ｑ 交通事故の損賠請求で勝訴した原告は後遺症による後発損害の賠償を後訴で請求できるか
→できる
(理)
これを一部請求の問題として考えるとすると、
一部請求に明示を要求するとすれば、本請求は否定されるかに見える。
しかし、
原告は後発損害について賠償を請求しようにも請求できない事情がある、
�＼禅瓩鯒Г瓩覆い箸垢譴弌�原告にはあまりにも酷である。
�△泙拭△海譴鯒Г瓩討癲∩幣戮陵�用を招くおそれもない。
VS 既判力の時的限界の問題として請求を認める説
(批)
後発損害が、前訴判決の基準時前に具体化した場合、請求が認められなくなる。
この結論は不当である。
→当事者が訴訟の開始、訴訟物の特定、訴訟の終了紛争の実体的解決について自由に決定できる建前
民事訴訟の主題たる私法上の権利・法律関係は、私的自治の原則に委ねられており、
実体法上権利義務の処分は当事者の意思に委ねられる(私的自治の原則)
そして
訴訟法は実体法上の権利を実現するものである
そこで、
民事訴訟制度の利用についても当事者の意思を尊重してこれを一任してよいからである。
�仝狭陲紡个靴討蓮∩幣戮粒�始、終了、紛争処理方式、審判対象の選択を保障する。
(←原告が訴えを提起しなければ、訴訟は開始しない)
��被告に対しては、不意打ちを防止し、手続保障機能をはたす
原告の申立事項外の点について判決をすることが許されない（§246 ） したがって、判決される範囲が明確になるから
→裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決することができない(246条)
Ｑ§246｢当事者の申したてない事項｣とは
�＾婬�
�� 権利救済の種類と順序
Ｑ 現在の給付の訴えに対し将来の給付を命ずる判決ができるか
Ｑ 一部認容判決(申し立てた範囲以下での判決)は246条に違反しないか
→許容される場合はありうる。
(理)
もし、認められないとすれば、原告の請求通りの事実はない以上、原告の請求を棄却せざるを得ない。
しかし
それでは、原告に正確な債権額の認識を要求することになるが、これは困難であることがある。
思うに
原告は棄却判決よりは一部認容を求めるはずだし、
被告にとっても、全面敗訴の場合と比較しても不意打ちとなるわけではない
紛争の一回的解決にも資する。
もっとも、建物の明渡請求などは、単なる量的な問題ではない。
したがって、一部明渡等の一部認容判決をすべきでない。
Ｑ引換給付判決(無条件の給付請求に対して条件を付してた判決)が許されるか
→適法 (理)かかる判決は、無条件の給付請求に条件を付しものであるから一部認容判決とみてよい。
Ｑ 債務の一部不存在確認訴訟(特に 債務の上限を示さないでする一部不存在確認の訴え))
(Q 単に100万円をこえて債務は存在しないことの確認→200万円を超えて存在しないと判決できるか)
→認めてよい
(理)
これも一部認容判決とみてよい。
とはいえ
この場合、残債務額がいくらになるかの上限を示していないので、攻撃防禦の目標も明確にならず、不意打ちの危険がある。
また、原告は、残債務の数額について確定することを望んでいないであろう。
しかし
�〇頂銚�額の確定のため、被告に別訴提起を求めるのは手段として迂遠である。
また
��通常は訴外で債権者が上限を定めているのが通常であるから、そのような事情があれば、攻撃防禦の目標も明確である。
→控訴・上告によって取り消さる(§312-3）
→訴えの提起によって、当事者の特定の事件が特定の裁判所において審判される状態
発生時期 (Q いつ発生するか）
効果
１二重起訴の禁止、
２訴訟参加、
３訴訟告知、
４中間確認の訴え・反訴、
５訴えの変更
二重訴訟を認めれば、
�￣�訴義務を負う相手方にとって大きな負担であり
�∩幣拆紊睇垠从僂任△襦�
��判決内容が矛盾・抵触するおそれもある
Ｑ 二重起訴の禁止に触れる場合とは
→事件が同一でありながら、それらが併合審理されない場合
｢事件の同一性｣の判断は、以下の有無をもって判断する
�‥�事者の同一性
�∋�件の対象の同一性
| 同一のもの | 類型 | 別訴 | 反訴 | |
| 当事者 | (1)原告と被告の入れ替わり | |||
| 訴訟物 | (1)給付訴訟において実体権が複数存在 | |||
| (2)訴えの類型が異なる場合 | ||||
| (3)一部請求後の残部請求 | ||||
| (4)相殺の抗弁 | �� 抗弁後行型 | × (判例) | ○ | |
| �� 抗弁先行型 | × | ○ | ||
| 事件の対象 | �〇�実関係や裁判資料 | |||
| �⊆舁廚柄菘� | ||||
Ｑ代位訴訟提起中に債務者が第三債務者に訴え提起をすることは二重起訴にあたるか
�〆通骸圓蓮�代位訴訟の判決効が及ぶ（115条1項1号）。
�∈銚⊆埖絨盟幣拊罎郎通骸圓郎銚△亡悗靴峠菠�行為はできない。
すなわちそもそも訴え提起できないはずだからである。
ただし
債権者の代位権限をあらそう独立当事者参加は可能である
裁判所は本禁止に触れるか否かについては、職権で調査し、同一の場合は、直ちに却下。
また、
権利関係が同一の場合、釈明の上で、訴え変更・反訴提起を待つか、弁論を併合するかの態度を採る。
矛盾する判決がでた場合、後になされた判決が再審で取り消される（338条1項）
１、訴訟物として主張された権利関係
相手方提起の消極的確認の訴えによっても時効中断効が生じるし、
攻撃・防御方法としての権利関係も同様の効果が生じる。
２、一部請求の場合で明示された部分があれば残部請求が認められる。
その場合、一部について時効中断効が生じる。
一方で明示がない場合は、全額について、時効中断効が生じる。
