法令ノート/手形･小切手法/除権決定

１公示催告の申立権者(非訟§156-1｢最終の所持人｣とは) †

→証券喪失当時の実質的権利者
手形の喪失 ⇒ 喪失･盗難･滅失･同一性を認識資得ない状態になった場合【189】

Q 交付欠缺手形の場合【192】

(1)消極的効力手形上の権利と証券の結合が解かれ、手形が無効になるという効力
→証書は無効となる(権利と証券の結合を解く)(非訟§60-1)
∴喪失者は喪失手形の取得者による権利行使を拒みうる

(2)積極的効力手形なしで手形上の権利を行使できるようになり、形式的資格を認められる効力
→｢証書に因れる権利｣を行使できる(非訟§60-2)

Q1 そもそも、公示催告後・除権決定前に手形上の権利を善意取得できるか。
→できる
(理)公示催告によって悪意を擬制することはできないし、催告を見なかったことに重過失を認めることもできない。

Q2 善意取得者は権利を失うか
→失わない
(理)公示催告は権利と証券との結びつきを解くものに過ぎない。

Q3 善意取得者の権利行使方法如何

白地手形である以上、白地補充のないままでは権利行使できない
しかし
補充しようにも、手形を喪失した以上、証券がない
よって、除権決定を得ても
振出人が他人の権利行使を拒めるだけに過ぎない

しかし、これでは除権決定を得た意味が乏しい。
そこで

Q1 手形外の意思表示によって白地補充できるか
→否定(S51,4,8)(前田)
(理)
手形を喪失しなければ意思表示による補充が認められない以上
手形が手元にある場合以上の権利を認めることは不当である。

Q2 白地手形の再発行請求ができるか
①否定説(S51,4,8)(理)法の明文の規定がない
②肯定説(前田)