法令ノート/刑訴法/証拠/証拠能力/自白排除法則

自白の証拠能力-自白排除法則 †

⇒ 強制自白･長期拘束自白･不任意自白には証拠能力が否定される(§319-2,憲§38-1)

	意義	包含関係	効果
①不利益な事実の承認	自己に不利益な被告人の陳述	② 間接事実の陳述	所定要件下で伝聞例外となる (§321)
②自白	自己の犯罪事実の全部またはその重要部分を認める被告人の供述	③	･証拠能力の排除(§319-1) ･証明力の制限(§319-2)
③有罪であることの自認	罪責を承認する陳述のこと	④	③とする(§319-3)
④有罪である旨の陳述	訴因事実を認め、かつ違法性阻却事実･責任阻却事実の不存在を認めること		簡易公判手続に移行 (§291の2)

		任意性説		違法排除説 (田口)
		虚偽排除説	人権擁護説	違法排除説 (田口)
立法理由		不任意自白は虚偽の蓋然性が類型的に高いから	自白強制を禁止することで人権保障を担保するため	違法採取自白の排除により自白採取過程の適正･合法を担保するため
排除対象となる基準		任意性の有無 ↑ 虚偽の自白の可能性の有無	任意性の有無 ↑ 人権侵害の有無	自白採取過程の適正･合法性の有無
(批)		①供述者の主観的な心理状態を基準とする以上、任意でないという立証が困難。 ②内容が真実であれば、許容されるのは法の趣旨を没却する。	･左の① ･黙秘権と混同している	事実認定入門P 脚注
判断方法		①提示利益内容 ②提示者と利益との関係 ③利益提示の態様などにつき自白内容を総合して行う。
具体例	①施錠下での自白	反証ない限り、任意性につき一応の疑いがある｡但し、終始穏やかな雰囲気のうちに取調べがすすめられた場合は、反証があったものと推定する。
	②偽計による自白	虚偽の自白を導くものでなければ、証拠能力を認めてよい
	③約束による自白	虚偽の自白を導くものでなければ、証拠能力を認めてよい