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目次>>第４部 持分会社(合名･合資･合同会社の総称)>>設立
１ 実体手続 † 
(1) 定款の絶対的記載事項 †
目的
商号
本店の所在地
社員の氏名又は名称及び住所、
無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別
社員の出資の目的、その価額又は評価の標準
支店の所在地の記載を要しない。(会§576-1)
(2) 社員の員数 †
合名会社及び合同会社は 社員を1人として設立することができる。(会§641��)
合資会社は、無限責任社員及び有限責任社員の存在が必要であり、社員を1人として設立することはできない(会§576-3)
(3) 社員になることができる者 †
法人は、無限責任社員にもなることができる。
その場合は、その法人において、職務執行者(業務執行社員の職務を行うべき者)を選任しなければならない。(会§576-1�ぁ�598)
会社以外の法人が持分会社の社員となるには、当該法人の目的の範囲内の行為である必要があるが、
目的の範囲外であることが明らかな場合を除き、設立の登記を受理して差し支えない。
なお、無限責任社員又は業務執行社員になることができない法人がある。
例
信用協同組合(協同組合による金融事業に関する法律第6)
信用金庫(法§89-1)
労働金庫(法§94-1)
銀行(法§12条の3
保険会社(保険業法§100の4)
(4) 代表社員の選任等 †
社員は、業務を執行し、会社を代表する(会§590、599-1)が、
定款又は定款の定めに基づく社員の互選によって、業務執行社員の中から代表社員を定めることができる。(同-3)
したがって
有限責任社員も 代表社員又は業務執行社員になることができ
代表社員の選任には、必ずしも総社員の同意を要しない。
(5) 合同会社の特則 †
社員になろうとする者は、定款の作成後、設立の登記をする時までに、
出資に係る金銭の全額を払い込み、又は
出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない(会§578)
なお、資本金の額は、
原則として、
出資により払込み又は給付がされた財産の額の範囲内で、社員になろうとする者が定めた額(零以上の額)に限る。(計則§75-1)
２ 登記手続 †
(1) 申請人 †
代表社員が法人である場合には、登記の申請書には、職務執行者の氏名及び住所をも記載し、
職務執行者又は代理人が記名押印しなければならない。(商登§17-2)
(2) 登記事項 †
ア 合名会社(会§912)
(ｱ) 目的
(ｲ) 商号
(ｳ) 本店及び支店の所在場所
(ｴ) (存続期間又は解散の事由についての定め)
(ｵ) 社員の氏名又は名称及び住所(無限責任社員の資格は、｢社員｣とすれば足る)
(ｶ) 代表社員の氏名又は名称(会社を代表しない社員がある場合に限る )
(ｷ) 法人である代表社員の職務執行者の氏名及び住所
(ｸ) 公告方法の定め(定めがないときは、官報により掲載するする旨)
(ｹ) 電子公告を公告方法とするときは、ウェブページのアドレス等(第2部の第1の2の(2)のアの(ﾍ))
イ 合資会社(会§913)
(ｱ) 合名会社の登記事項と同一の事項
(ｲ) 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別
(ｳ) 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額
ウ 合同会社(会§914)
(ｱ) 合名会社の登記事項と同一の事項(アの(ｵ)及び(ｶ)を除く ) 。
(ｲ) 資本金の額
(ｳ) 業務執行社員の氏名又は名称
(ｴ) 代表社員の氏名又は名称及び住所
登記期間
支店所在地−本店の所在地における設立の登記をした日から２週間以内
登記事項 −支店登記事項に限られる(会§930)(第2部の第1の2の(2)のイ)
(3) 添付書面 †
ア 合名会社(商登§93条、第94)
(ｱ) 定款
(ｲ) 社員の互選によって代表社員を定めたときは、その互選を証する書面 及び
代表社員の就任承諾書
(ｳ) 代表社員が法人であるときは、次に掲げる書面
ａ 当該法人の登記事項証明書
ｂ 当該法人の職務執行者の選任に関する書面(業務執行の決定機関において選任したことを証する議事録)
具体的には、次のとおりである。
(a) 株式会社-取締役が選任したことを証する書面(取締役会の議事録、執行役が選任したことを証する書面)(会§348-1,2、§362-4��、§418)
(b) 持分会社-社員が選任したことを証する書面(会§590-1,2、§591-2)
(c) 理事会が法定されている法人 -理事会の議事録(私学§36-2)
(d) 理事会が法定されていない法人-理事の過半数をもって選任したことを証する書面(民§52-2)
ｃ 当該法人の職務執行者が就任を承諾したことを証する書面
(ｴ) 代表社員以外の社員が法人であるときは、(ｳ)のａの書面
イ 合資会社
(ｱ) 合名会社についての添付書面と同様の書面 商登§111条 第93条第94)
(ｲ) 有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面(代表社員の作成に係る出資金領収書、財産の引継書等。商登§110)
ウ 合同会社
(ｱ) 合名会社についての添付書面と同様の書面 商登§118条 第93条第94)
(ｲ) 出資に係る払込み及び給付があったことを証する書面 商登§117条
具体的には、
金銭の払込みについては、株式会社の発起設立の場合に添付すべき払込みがあったことを証する書面(第2部の第1の2の(3)のオ参照)
金銭以外の財産の給付については、財産の引継書
(ｳ) 設立時の資本金の額につき業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面(商登§118、§93)
(ｴ) 資本金の額が会社法及び計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面(商登規§92、§61-5)
(4) 登録免許税額 †
合名会社・合資会社 本店所在地−６万円 支店所在地−9000円(別表第一第19号(一)ロ (二)イ)
合同会社
本店所在地−資本金の額の1000分の７(これによって計算した税額が６万円に満たないときは、６万円)
支店所在地−9000円(別表第一第19号(一)ハ (二)イ)
(5) 職務執行者による印鑑の提出 †
代表社員が法人である場合には、当該社員の職務執行者が登記所に印鑑を提出する(商登§20、§17-2)。
ア 印鑑届出事項
持分会社の商号及び本店のほか、
当該代表社員の資格、商号又は名称及び本店又は主たる事務所並びに当該職務執行者の氏名及び出生の年月日。(商登規§9-1��)
イ 添付書面
代表社員の職務執行者が法人の代表者であるときは、
�‥亠�所の作成した法人の代表者の資格を証する書面(作成後３か月以内のもの)
��印鑑届書に押印した印鑑につき登記所の作成した印鑑証明書(作成後３か月以内のもの)
(商登規§9-5項��)
代表社員の職務執行者が法人の代表者でないときは、
�‥�該法人の代表者が職務執行者の印鑑に相違ないことを保証した書面
(登記所に提出した当該法人の代表者の印鑑の押印を要する )及び
��当該印鑑につき登記所の作成した証明書(作成後3か月以内のもの)(商登規§9-5項��)
ただし、
印鑑届書の提出を受ける登記所の管轄区域内に代表社員である法人の本店又は主たる事務所があるときは、
代表者の資格証明書及び印鑑証明書の添付は要しない。(商登規§9-5項ただし書)
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