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目次>>株式会社>>第５ 解散及び清算>>２清算
(1) 清算の手続 † 
ア 清算会社の機関 †
清算会社は、株主総会及び清算人のほか、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができ、
機関の設置における定款自治の範囲が拡大したが、
解散前の会社におけるその余の機関に関する規律の適用はない(会§477-1、第2項、第6)
ただし、監査役会を置く旨の定款の定めがある清算会社は、清算人会を置かなければならない。(会§477-3)
また、清算開始時に公開会社又は大会社であった清算会社は、監査役を置かなければならず、
これに該当する委員会設置会社であった清算会社は、監査委員が監査役となる。(会§477-4,5)
イ 清算人及び代表清算人 †
(ｱ) 清算会社の代表及び業務執行 †
解散前の会社における取締役及び代表取締役についてと同様である(第3の3参照)
(ｲ) 員数 †
清算人は、1人以上で足りるが、清算人会設置会社においては3人以上でなければならない。(会§478-6、331-4)
(ｳ) 清算人の選任 †
清算人には、次に掲げる者がなる(会§478)
ａ 清算開始時の取締役(委員会設置会社であった清算会社にあっては、監査委員以外の取締役)(ｂ及びｃに掲げる者がある場合を除く)
ｂ 定款で定める者
ｃ 株主総会の決議によって選任された者
ｄ 裁判所が選任した者
(ｴ) 代表清算人の選任 †
ａ 清算人会設置会社以外
清算人の中から代表清算人を定めないときは、各清算人が代表清算人となる(会§483-1本文)
ただし、(ｳ)のａにより清算開始時の取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となり(会§483-4)
また 清算人会設置会社以外の清算会社は次の方法のいずれかにより、清算人の中から代表清算人を定めることができる。(同-3)
(a) 定款
(b) 定款の定めに基づく清算人(裁判所が選任したものを除く )の互選
(c) 株主総会の決議
なお、(ｳ)のｄにより裁判所が清算人を選任したときは、裁判所は、清算人の中から代表清算人を定めることができる(会§483-5)
ｂ 清算人会設置会社
(ｳ)のａにより清算開始時の取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる(会社法第483-4)
他に代表清算人があるときを除き、清算人会の決議により、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。(会§489-3)
なお、裁判所が代表清算人を定めることができることは、ａと同様である。
(ｵ) 任期 上限はない。 †
(ｶ) 解任 †
清算人は、裁判所が選任したものを除き、いつでも株主総会の普通決議で解任することができ
裁判所は、申立てにより、清算人を解任できる(会§479)
清算人の解任の裁判に対する不服申立てが可能になったことに伴い、
解任の裁判があったときのみならず 当該裁判を取り消す裁判が確定したときも
裁判所書記官は、本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。(会§937-1�▲蓮↓�イ、第938-2項�◆↓�)
ウ 清算人会 †
清算人会の議事録及び清算人会の決議の省略については、取締役会についてと同様である(会§490-5、第369-3、施行規§143、第３の４参照)
エ 監査役及び監査役会 †
清算会社の監査役及び監査役会については、一定の場合に機関の設置義務があること(ア参照)を除き、
解散前の会社と変わらないが、任期の上限に関する規律が廃止された(会§480-2)
また、解散前の会社と同様に、監査役の任期は、次に掲げる定款の変更をした場合には、
当該定款の変更の効力発生時に満了するが、発行する株式の全部の内容として譲渡制限の定めを廃止する定款の変更をしても満了しない。(会§480-1)
(ｱ) 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更(ただし、清算開始時に公開会社又は大会社であった清算会社は、監査役を置く旨の定款の定めを廃止することができない。会§477-4)
(ｲ) 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更
オ 清算会社についての適用除外等 †
清算会社は、次に掲げる行為等をすることができない。(会§509条、第474)
(ｱ) 自己の株式の取得(無償で取得する場合その他施行規§151条で定める場合を除く)
(ｲ) 資本金の額その他の貸借対照表上の計数の変更
(ｳ) 剰余金の配当
(ｴ) 吸収合併存続会社又は吸収分割承継会社となること。
(ｵ) 株式交換及び株式移転
(2) 登記手続 †
ア 登記事項 †
清算開始時の取締役が清算人となったときは解散の日から２週間以内に、
清算人が選任されたときは就任の日から２週間以内に、
本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない(会§928-1,3,4)
(ｱ) 清算人の氏名
(ｲ) 代表清算人の氏名及び住所
(ｳ) 清算会社が清算人会設置会社であるときは、その旨
イ 清算人会設置会社以外 †
(ｱ) 清算人及び代表清算人の登記 †
ａ 定款(商登§73-1)
ｂ 清算人の選任を証する書面
定款によって定めたときは定款(商登規§61-1)
株主総会の決議によって選任したときはその議事録(商登§46)
裁判所が選任したときは裁判所の選任決定書等(商登§73-3)
ｃ 清算人の中から代表清算人を定めたときは、その選定を証する書面
定款によって定めたときは定款(商登規§61-1)を、
定款の定めに基づく清算人の互選によって定めたときは定款及びその互選を証する書面(同項、商登§46-1)
株主総会の決議によって定めたときはその議事録(同-2)
裁判所が定めたときは裁判所の選任決定書(商登§73-3)
ｄ 清算人及び代表清算人が就任を承諾したことを証する書面
定款又は株主総会の決議によって清算人を選任したときは清算人の就任承諾書
清算人(裁判所が選任したものを除く )の中から代表清算人を定めたとき((1)のイの(ｴ)のａ参照)は代表清算人の就任承諾書(商登§73-2)
(ｲ) 清算人又は代表清算人の就任による変更の登記 †
登記の申請書には (ｱ)のｂからｄまでの書面を添付しなければならない
(ｳ) 清算人又は代表清算人の退任による変更の登記 †
登記の申請書には 退任の事由を証する書面を添付しなければならない(商登§74-2)
ウ 清算人会設置会社 †
(ｱ) 清算人、代表清算人及び清算人会設置会社である旨の登記 †
ａ 添付書面
(a) 定款(商登§73-1)
(b) 清算人の選任を証する書面 清算人会設置会社以外の会社についてと同様である(イの(ｱ)のｂ参照)
(c) 代表清算人の選定を証する書面
清算人会が選定したときはその議事録(商登§46)
裁判所が定めたときは裁判所の選任決定書(商登§73-3)
(d) 清算人及び代表清算人が就任を承諾したことを証する書面
定款又は株主総会の決議によって清算人を選任したときは清算人の就任承諾書、
清算人会の決議によって代表清算人を選定したときは代表清算人の就任承諾書(商登§73-2)
ｂ 登録免許税額 申請1件につき9000円(別表第一第19号(四)イ)
(ｲ) 清算人及び代表清算人の就任又は退任による変更の登記 †
清算人会設置会社における清算人及び代表清算人の就任又は退任による変更の登記の添付書面等は、改正前と同様である。
(ｳ) 清算人会設置会社の定めの設定又は廃止による変更の登記 †
ａ 添付書面 清算人会設置会社の定めの設定又は廃止を決議した株主総会の議事録(商登§46)
ｂ 登録免許税額 6000円(別表第一第19号(四)ニ )
エその他 †
清算会社の監査役の登記(監査役設置会社の定めの登記を含む )及び
監査役会設置会社の定めの登記(社外監査役の登記を含む )は、
解散前の会社についてと同様である(第3の7及び8参照)
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